今日のメモ(弁済)

□ 債権の消滅-弁済ー代物弁済

□代物弁済

 お金を借りていた甲が、金銭を返すことに代えて

高級時計を債権者乙に弁済として引渡すことにより

債務が消滅することとする契約をいいます。

 

 弁済をすることができる者が、債権者との間で、

債務者の負担した給付に代えて

他の給付をすることにより債務を消滅させる旨の契約をし

その弁済者が当該他の給付をしたときは、

その給付は弁済と同一の効力を有する。

(他の給付をしたときに本来の債務が消滅します。)

 

他の給付は、現実になされることが必要です。

代物弁済として不動産の所有権を移転する場合には

登記を完了することまでが必要です。

(不動産の所有権は、特約がない限り、

代物弁済の意思表示をした時に移転します)

(債権が消滅するには、対抗要件を備えさせることが必要)

 

本来の給付の価額と代物弁済するものの価額とは

同価額であることは不要です。

(当事者が契約をして納得している)℮

 

 

 

 

 

今日のメモ(弁済)

□ 債権の消滅―弁済-諸々

 

〇 預貯金の口座への払込による弁済

 債権者の預貯金への払込によって弁済をする場合は

債権者が預貯金にかかる債権の債務者(銀行等)に

払込にかかる金額の払戻しを請求する権利を取得した

ときに弁済の効力が生じます。

 

〇 受領権者以外の者に対する弁済

 受領権者以外の者に対してした弁済は、

債権者がこれによって利益を受けた限度においてのみ

その効力を生じます。

ただし、受領権者以外の者であっても

取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を

有する者(自称(詐称)代理人も同じ)に対してした弁済は、

弁済者が善意でかつ過失がないときに限り、

その効力を有します。

※受領権者=弁済を授与する権限を付与された第三者

 

〇 差し押さえを受けた債権の第三債務者の弁済

 債権者甲、債務者乙がいます。

債務者乙が弁済期になっても債権者甲に弁済しないので

債権者甲は、債務者乙の丙に対する債権を差し押さえた。

この場合の丙を第三債務者と言います(債務者の債務者)。

 

 差押えを受けた債権の第三債務者(丙)が自己の債権者(乙)

に弁済した時は、

差押債権者は、その受けた損害の限度において更に債務をすべき

旨を第三債務者に請求できる。

(第三債務者としては二重に弁済することになる)

 応じた第三債務者は、その債権者(乙)に求償権を行使する

ことができる。

 

 

今日のメモ(弁済による代位)

□ 債権の消滅―弁済ー弁済による代位

□ 一部代位弁済(502)

 弁済者が債務の一部を弁済した場合は次のようになります。

 

 代位弁済が債権の一部であったときは、代位者は、

債権者の同意を得て、その弁済をした価額に応じて、

債権者とともにその権利を行使することができる。

 この場合であっても債権者は、単独でその権利を

行使することができる。

 以上によって債権者が行使する権利は、

代位者が行使する権利に優先する。

 

ただ、契約の解除は、債権者のみがすることができる。

 

□ 法定代位者相互の関係

 債務者のために弁済をした者は、債権者に代位できます。

債権者が保証人や物上保証人等複数の担保を取っていた場合

弁済をした者は一定のルールのもと代位するようになっています。

 

〇保証人は、代位弁済をしたら債権者が有していた権利を行使

することができる。(代位の付記登記云々はない)

 

〇―2 第三取得者は、保証人、物上保証人に対して

債権者に代位しない。

(第三取得者=債務者から担保のとなっている財産を譲り受けた者)

 

・第三取得者の一人は、他の第三取得者に対して各財産の価額に応じて

債権者に代位する。

(第三取得者から担保の目的となっている財産を譲り受けた者は第三取得者と

みなされます。)

 

・物上保証人の一人は、他の物上保証人に対して各財産の価額に応じて

債権者に代位する。

 

〇-3 保証人と物上保証人との間においては、その数に応じて債権者に

代位する。

 ただし、物上保証人が数人の時は保証人の負担部分をマイナスした残額を

各財産の価額に応じて債権者に代位する。

(物上保証人から担保の目的となっている財産を譲り受けた者は、

物上保証人とみなされます。)℮

 

 

 

今日のメモ(債権の消滅・弁済)

□ 債権の消滅ー弁済ー弁済による代位

□ 弁済による代位

 債務者のために弁済をした者は、債権者に代位できる。

代位できる=債務者のために弁済をした者は、

債権者が有していた権利を

求償権の範囲内で行使できることを意味します。

(債権者が有していた債権+担保権が弁済者に移転する

という形になります。

弁済者は、債権+担保権と債務者に対する求償債権

を持つことになります。そして

求償債務が履行されないときは担保権を実行できる)

 

〇任意代位

 弁済をするについて正当な利益を有する者でない者が

代位する場合を任意代位といいます。

任意代位の場合は、債権譲渡の対抗要件を備えることが要件となる。

(債務者の保護)

※ 債権譲渡の対抗要件=譲渡人(債権者)から債務者への通知

  又は債務者の承諾

 

〇―1 法定代位

 

 弁済をするについて正当な利益を有する者が代位する場合をいい、

上の債権譲渡の対抗要件を備えなくてよい。

当然に代位する、ということです。

(正当な利益を有する者=物上保証人や保証人など)

 

〇―2 代位の効果

 代位者は、債権の効力および担保としてその債権者が有していた

一切の権利を行使できます。

 ただし、代位者が自己の権利に基づいて債務者に対して求償することが

できる範囲内に限りすることができる、となります。℮

 

  

 

 

今日のメモ(債権の消滅・第三者弁済)

□ 債権の消滅ー弁済ー第三者の弁済

□ 第三者の弁済

 債務の弁済は、第三者もすることができます。

債権者にとっては、債権の満足を得れればそれで

OKという場合もあるでしょうから。

ただ、第三者が弁済できない場合もあります。

 

〇 第三者の弁済が認められない場合

〇―1 債務の性質が第三者の弁済を許さないとき

 債務者自身が弁済しないと意味をなさない行為等は

三者弁済は不可です。

(署名な学者の講演など第三者が代わりに行っても

意味がない(債務の本旨に従った弁済とはいえない)

 

〇―2 当事者が第三者の弁済を禁止し、若しくは

制限する旨の意思表示をしたとき

 債権者と債務者が第三者の弁済を禁止し若しくは制限する

特約をしたときは、弁済をするについて正当な利益を有する

三者でも弁済できません(弁済できる例外なし)。

 

〇―3 弁済をするについて正当な利益を有する者でない

三者(例えば友人)は、

債務者の意思に反して弁済をすることができない。

(弁済しても効力生じない)

ただし、債権者が債務者の意思に反することを知らかったときは

この限りでない(有効となる)、となります。

 弁済をするについて正当な利益を有する者(物上保証人など)は

債務者の意思に反しても弁済できることになります。

 

〇―4 弁済をするについて正当な利益を有する者でない

三者(例えば親族)は、

債権者の意思に反して弁済をすることができない。

(債務者の意思に反する弁済は無効となるので、その危険を

避けるため債権者に弁済を拒絶できるようにした)

 ただし、債権者が、第三者が債務者の委託を受けて弁済をする場合

であることを知っていた時はこの限りでない(拒絶できず有効)、

となります。℮

 

 

 

 

 

 

 

 

今日のメモ(債権の消滅)

□ 債権の消滅 

 債権は、例えば、売買契約で買主が代金を支払えば

売主の代金を請求できる権利(債権)はなくなります。

(債権の目的である給付が実現されると債権は消滅します)

債権が消滅する原因は、他に消滅時効の完成により消滅するなど

権利一般の消滅原因による場合もあります。

弁済等は債権が消滅する事由です。

 

□ 弁済

 債務者が債権者に対して債務の弁済をしたときは

その債権は消滅します。

 

 弁済とは、例えば、売買代金を支払うことが弁済です。

債務の内容である給付を実現させる行為をいいます。

(債権の目的である給付を実現させること)

弁済者は、その受領者に弁済と引き換えに受取証書の交付を

請求できます(同時履行)。

 

ただ給付を実現させる(弁済)とは言っても

債務者が一人で完了できない給付については、

債権者の行為も必要となる場合があります。

 債権者の協力が必要な場合に債務者がするべき準備をして

債権者に協力を求めることを弁済の提供といいます。

 

〇 弁済の提供

 弁済の提供は、債務の本旨に従って現実にしなければならない。

ただし、弁済の準備をしたことを通知してその受領の催告をすれば

足りる場合があります。

・債権者があらかじめその受領を拒み(弁済の提供をしても

受領しないだろうから)、又は債務の履行について

債権者の行為を要するときは、

(債権者が取り立てに来ることになっている債権など)

通知をすれば足りる、となります。(口頭の提供)

債権者の受領拒絶の意思が明確な場合は口頭の提供も不要となっています。

 

〇―2 弁済の場所及び時間

・ 弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは

特定物の引渡しは、債権発生の時にそのものが存在した場所において

その他の弁済は債権者の現在の住所において

それぞれしなければならない。

債権の目的が特定物の引渡しである場合において

契約その他の債権の発生原因および取引上の社会通念に照らして

その引渡しをすべき時の品質を定めることができないときは

弁済者は引渡しをすべき時の現状でその物を引渡さなければならない。

 

・ 弁済をし又は弁済の請求は

法令又は慣習により取引時間の定めがあるときは

その時間内に限りすることができる。

 

〇―3 弁済の費用

 別段の意思表示がないときは、債務者の負担とし、

債権者の住所移転等債権者の行為によって増加した分は

債権者の負担となります。℮

 

 

 

 

 

今日のメモ(債務の引受け)

□ 債務の引受け

□ 免責的債務引受

 債務の引受けとは、債務の同一性を維持したまま

引受人に移転することであり、

免責的債務引受けは、引受人のみが債務を負担し、

債務者は債務を免れる形になります。

 

〇 引受人は債務者が債権者に対して負担する債務と

同一の内容の債務を負担します。

(債務者は自己の債務を免れる)

・引受人は、免責的債務引受けにより負担した

自己の債務について、その効力が生じたときに

債務者が主張できた抗弁をもって債権者に対抗できる。

・債務者が取消権や解除権を有しているときは、

引受人は免責的債務引受けがなければこれらの権利の行使によって

債務者がその債務を免れることができた限度において

債務の履行を拒むことができる。

・引受人が債権者に弁済しても債務者に対して求償権を取得しません。

 

〇―2 契約の当事者

・債権者と引受人となるものとの契約

(債権者が債務者にその契約をした旨を通知した時に効力発生)

・債務者と引受人との契約でも可だが

債権者が引受人となるものに対して承諾をすることが必要。

・債権者、債務者、引受人の三者ですることができる。

 

〇―3 担保の移転

・債権者は、債務者が免れる債務の担保として設定された担保権を

引受人が負担する債務に移すことができる。

担保権の移転は、あらかじめ又は同時に引受人に対する意思表示よって

します。(担保=抵当権など)

ただし、引受人以外の者が設定していた場合にはそのものの承諾を

得なければならない。

・保証人がある場合にも準用される。(保証人の承諾が必要)

この場合の承諾は書面でしなければ効力を生じない。℮