今日のメモ(占有回収の訴え)

□ 占有回収の訴え

〇占有権

 人が、(自己の為にする意思をもって)

物を事実上支配している状態を占有権として

保護されます。

事実上の支配に対しての保護です。

よって、盗人が盗品を所持していれば占有権あり、です。

所有権などの本権とは別の権利です。

 

〇占有回収の訴え

 占有者がその専有を奪われたときは、占有回収の訴えにより

その物の返還及び損害の賠償を請求することができる。

 

〇―1 占有を奪われた場合に提起できます。

・占有者の意思に基づかないで占有が奪われること。

 詐欺によった場合や遺失した場合は、意思に基づかずに、

とはいえず占有回収の訴えは提起できない。

 

・占有権は事実上の所持を保護する制度であるため

正当な権限に基づく占有でなくてよい。

甲は乙に有料で期限付きでカメラを貸した。

乙は期限になってもカメラを返還しないので、

甲は実力でカメラを奪い返した。

乙は、占有回収の訴えを提起できる。

 

・占有を侵奪した者が侵奪した物を他人に賃貸した場合

侵奪者はなお占有権を有し、この者に訴え提起可。

 

〇―2 占有回収の訴えは、占有を侵奪した者の特定承継人

対して提起することができない。

ただし、その承継人が侵奪の事実を知っていた時は提起できる。

 

・甲は乙の動産を盗んだ。乙は、この事情を知らない丙に譲渡した。

丙は、さらに盗難の事実を知っている丁に譲渡した。

甲は丙に占有回収の訴えを提起できない。

(善意者が現れると、その後の承継人が悪意であっても訴え提起不可)

 

〇―3 占有回収の訴えは、占有を奪われたときから1年以内に提起しなければ

ならない。

 

〇―4 請求の内容

 その物の返還及び損害の賠償です。